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2020年07月25日
【日本の暦】 桐始結花の季節
こんにちは、いつもブログをご覧いただきましてありがとうございます。
銀座店の五十嵐です。
【日本の暦】のシリーズのブログでは、二十四節気・七十二候に因んだ着物の柄や日本の文化などをご紹介しています。
梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、7/22~7/26の頃二十四節気では大暑、七十二候では初候の“桐始結花”(きりはじめてはなをむすぶ)の季節となります。
ただ花が咲く、ではなく花を結ぶという表現が奥ゆかしくて素敵ですね。
桐は吉祥文様の柄の一つでもあり、着物の柄としてもよく用いられております。
特に、“桐竹鳳凰”と呼ばれる柄では、桐に住まい、竹の実を食すと云われている鳳凰と共に描かれるとてもおめでたい柄です。
京鐘もこの桐竹鳳凰の柄の打掛をたくさん所蔵しており、黒地に金彩友禅で描かれた桐竹鳳凰柄の打掛を5月末頃に疫病退散の願いを込めて京都店で展示しておりました。
【桐竹鳳凰に青海波】 (京都店所蔵)
黒と金の大胆な配色に鳳凰の風格が相まってとても荘厳な柄ゆきです。
さて、この季節に合わせて銀座店では“桐始結花”の季節の名前からインスピレーションを得て、桐の柄と流水の柄が涼やかな色留袖をトルソーに着せてみましたのでご覧ください。
【色留袖 流水に桐文様】 (銀座店所蔵)
袋帯は向かい鳳凰と立湧柄の白場の多い帯を合わせて涼しげに。
あっさりとしていますが、唐織の技法で織られており品良く奥ゆかしい袋帯です。
着物で桐・袋帯で鳳凰を合わせて桐竹鳳凰を暗示させるコーディネートに。
また、こちらの薄桜色の色留袖は皇室御用達の染め元で作っていただいた1枚です。
着物は柄それぞれに意味があり、シーンに合わせてそれを使い分けられるところが魅力です。
ご婚礼の列席衣裳として、授賞式に、様々なシーンで使える色留袖ですが、このおめでたい柄の組み合わせで着ていくところに花を添えることができたら、とても素敵ですね。
本日ご紹介した色留袖・袋帯は銀座店でご覧いただくことができます。
実物はお写真で見るよりもやわらかいお色目のお衣裳ですので、ぜひ手に取ってご覧いただけると幸いです。
桐始結花の季節が終わるまで、こちらのお衣裳の組み合わせで銀座店にトルソー展示しております。