スタッフブログ
2020年02月27日
【列席】おぼろ染めの黒留袖
いつもスタッフブログをご覧頂きありがとうございます。銀座店 山口です。
本日は、現在 銀座店に展示させて頂いております お着物をご紹介させて頂きますね。
今回は とてもめずらしい「おぼろ染め」の黒留袖です。
「おぼろ染め」と申しますのは、着物の上を濃くし、お裾に向かって薄くぼかして
染め上げたものを指します。
絞りの技法が使われ、優しいぼかし技法の中にも どこか気品を感じさせてくれるのは、
この独特の色使いによるものでしょうか。
「おぼろ染め」の名にふさわしく、春の朧月夜を思わせる優美な佇まい。
帯は白地の唐織を合わせてみました。若松のほかに笹と梅。松竹梅は古典的な柄行きですが、
この袋帯はどこかスタイリッシュで 若々しさも感じさせてくれますね。
後ろのお太鼓部分。ブルーやグリーン、薄紫など、差し色のお色使いが
この黒留袖にとてもよく合います。
こちらは裾模様のアップになります。
若松と笹と梅の松竹梅。色だけではなく柄も松竹梅でコーディネートしてみました。
更に紫部分には白く絞りぬかれた桜の花。
花の芯は ほんのりやさしい桜色で、小さなお柄ながらも しっかりと立体感があります。
写真ではわかりづらいかもしれませんが、松と梅部分には 金糸・銀糸で芥子粒よりも
細かい相良刺繍が施されております。
ご婚礼にふさわしい格の高さ、そして 華やかさ。
古典的でありながら、個性も感じさせてくれる印象的な一枚です。
こちらの黒留袖は、銀座店でご覧頂けます。ぜひお手に取り、ご試着くださいませ。
きっとその美しさにハッと目を奪われることでしょう。
ご来店予約、お待ち申し上げております。